海外で活躍できる人・できない人
海外駐在・海外勤務のチャンスを手にする事それ自体が貴重な経験ですし、若手の駐在員であれば人材育成のための派遣が目的であって
海外で大活躍する事が想定されていないかもしれません。
しかしながら、マネージャークラス、シニアマネージャークラスとなると話は違ってきます。
赴任先では現地で採用することが出来ない高い専門性と経験をもった人材として期待され、活躍する事を強く期待されます。
例えとして、現役大リーガーが日本のプロ野球チームに助っ人として入団する事を想像いただくと良いかと思います。
当然こういった機会を得た人材は日本で成功をおさめて来た方ばかりで、まさに鳴り物入りで現地赴任となります。
「彼ら・彼女らならば必ず成功するだろう。」
そう思われて日本を後にするのです。
ところが現実はどうでしょうか。全員が成功するわけではなく、むしろ日本の頃の輝きを失ってしまう人も少なくありません。
海外で輝き続ける人とそうでない人の違い
では、成功する人とそうでない人は何が違うのでしょうか。
それは海外で輝きを見せるためには、海外用に自分を少し適応させる必要があるのです。
元々これから紹介する能力をもって海外赴任する方もいらっしゃるかもしれませんが、ほとんどの日本人が世界基準で評価されるために
適応させるべきポイントを3つ紹介します。
説明力
「あなたは何らかの成果を出した時にその成果をきちんと説明できますか」
「当たり前でしょ」と一笑に付す事なかれ。日本人は自身の成功を説明する事が概ね苦手です。
日本では上司があなたの行動を事細かに見ていたり、あなたも事細かに経過を報告していることが多いので
「説明する必要がない」事が多いのです。つまり説明する事になれていないのです。
私もこの点には苦労しました。
自分の方が苦労して大きな成果を上げていると思っても説明がうまくいかずあまり評価されないことがありました。
対策
いつでも成果を説明出来る準備をしておく。
どういう問題があって、どういう仮説をたて、それをどういう方法で克服して、こういう結果を出した というストーリーを説明できるようにしておく。
海外では上司に対して事細かにプロジェクトや業務の進捗を報告する機会は多くありません。
細かな報告をすると
「それで私に何をして欲しいの?何らかのサポートが必要なの?提案なの?何がしたいの?」という感じの反応となり
日本人上司のように「とにかく報告しろ」という人はまずいません。
こういう状況でも日本人は黙々と勤勉に働き結果を出すことが多いのですが、その努力を説明する準備ができていません。
日本では「アピール」はネガティブに捉えられますが海外勤務では必須のスキルです。
いつでも成果を説明できるように準備をしておきましょう。
リーダーシップ
「他者を巻き込んで成功をおさめましたか」
日本人は職人気質なところがあり、一人で黙々と努力をして成果を出すことが多いと思います。
とろこが海外では職人的な努力で成果を出すよりも「リーダーシップを発揮して他者を巻き込んで成果を出す」事の方が高く評価されます。
一人で成果を出せる人は素晴らしいのですが、そういう方はどちらかというとリーダーではなく「専門職」として評価され
将来会社を引っ張っていくような人材としては評価されない傾向があります。
対策
リーダーシップを発揮するために「コミュニケーション能力」を鍛える。
実際に人を上にたって上司や上位階層があるからリーダーシップを発揮できるわけではありません。
リーダーシップは誰でもどこでも発揮できるものです。
あなたが結果を出すために必要なことは「指揮命令」ではありません。日本ではこれも通用しますが海外では通用しないケースが多いです。
あなたに必要なのは「なぜそれをやらないといけないのか」の理由を説明し納得してもらい、その結果「他者が動く」事なのです。
そのためには高い「コミュニケーション能力」が求められます。
日本だとたまに気むつかしそうな上司がいますが海外ではあまり好まれません。
積極的に周りの同僚とコミュニケーションをとることが重要です。
そのための「時間」というコストを惜しんではいけません。
イノベーション
「あなたは成功の過程でイノベーションを発揮しましたか。」
日本は上司や先駆者の成功体験を押し付けられる(真似する事を強いられる)傾向が強いと思います。
ところが変化の激しい現代社会においては先駆者の成功体験は通用しないことが多く、また、あなた自身も「過去にあなたを成功に導いたを捨てないといけい」事すらあります。
対策
仕事に常に変化をもたらし、それによって得られた経験は積極的に共有する
海外ではイノベーションの重要性根付いています。従来通りのやり方での成功は評価されにくい傾向があります。
業務の中で常に変革をもたらしていく努力をしないといけません。
そのためには情報を多く得ることが重要です。上記でもコミュニケーションの重要性をお伝えしましたが
イノベーションを起こすためにもコミュニケーションを密にして新たなアイデアやインスピレーションを回りから得ることはとても大切です。
またイノベーションを起こすことに成功したらどんな小さな成功でも構わないのできちんと共有して成果をアピールしていきましょう。
海外だと会議で「ベストプラクティス・シェアリング」(成功例の共有)のアジェンダが組まれることが多いのでそういった機会があれば積極的に発信していきましょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
「説明力」「リーダーシップ」「イノベーション」を意識して成功を収めていきましょう。
私自身、海外赴任当初は
「自分が日本で発揮していた能力の半分もここシンガポールで発揮できていないのでないか」
と思い悩む日々がありました。
そんな時に上司がくれた言葉は
「時間が解決する」
というものでした。つまり慣れもあるということです。
もちろん我々駐在員がもっている「時間」は無限ではありません。
最初は小さな成功でもいいので積み重ねていき、上記3点を意識しながら成長していったことで今では
ここシンガポールでも信頼を勝ち得ていると信じています。
海外駐在は大変なことも多いですが誰もができる経験ではありません。
一緒に成功に向けて努力していきましょう。
ここまで読んでいただきましてありがとうございました。
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