プロジェクトを成功に導く人とそうでない人
あなたが担当しているプロジェクトやタスクは上手くいっていますか?
予定された期日までにプロジェクトメンバーやチームメンバーを率いて結果を出す事が出来ていますか?
常に結果を出す人がいる一方で、なかなか成功出来ない人もいます。
この違いは何なのでしょうか。
プロジェクトを成功に導く事が出来ないリーダーのパターン
プロジェクトを成功に導く事ができないリーダーの典型的な例を紹介します。
Aさんは新製品Xの開発を担当するプロジェクトリーダーに任命されました。
新製品の発売までちょうど1年、プロジェクトメンバー5名に下記の事をしました。
- 週単位で「達成すべき事」をガントチャートを使ってメンバーに依頼
- 細かな「やり方」も丁寧に支持
さて一か月後に進捗確認の会議です。
Aさんは愕然とします。「達成すべき事」を「やり方」まで説明して指示したのに5名中4名が達成すべき事を達成できず、早くもプロジェクトの進捗に大きな遅れが発生しました。
「こんなに細かに説明したのに何が悪かったんだ?」Aさんは頭を抱えます。
「メンバーが悪かったのか?メンバーを変えればいいのか」などと考えますが、
答えは、Aさんに欠けている事があるためなのです。
Why? の問いにBecauseで答えたか?
すでにお気づきかと思いますがAさんには
「なぜそれをやらねばならないの?」という潜在的に誰もが感じる問いに対する
「なぜなら」という説明が欠けていたのです。
Aさん自身は「やり方まで丁寧に教えたのに」と考えるかもしれませんが、多くの人にとって
「どうやるか」つまり「How」はお節介でしかないのです。
最も時間をかけてやるべき事
プロジェクトをリードする立場のAさんがやるべきだった事は
ガントチャートをつくったり、工程を管理したり、何をやるべきか(お節介にやり方まで加えて)を伝える事よりも
「なぜそれをやらねばならないか」
を伝える事だったのです。
工程管理をするのが「マネージャー」だとすれば
「リーダー」がやるべき事はメンバーが自主的に行動を起こすために「なぜ」を伝える事となります。
ひと昔前には「マネージャー」が主流だった
ひと昔前まで、筆者が社会人として仕事をはじめた頃は、
「いいか、これをやれ。」「こうやってやるんだ、よく見とけ」
と、まさに「何を」「どうやるか」だけを伝える上司が多い時代でした。
しかし当時はそれでもプロジェクトが成功したのです。
なぜなら当時は今に比べれば遥かに変化の少ない、もしくは変化の頻度やスピードが現代より緩やかであったため
「過去の成功例を踏襲する事で成功を再現できる」そんな時代だったのです。
ところが現代社会は、IT技術の目覚ましい発展などのテクノロジーの発展に加え、コロナの流行、政治的・経済的な不透明さなどが原因で過去の成功を真似しても成功を再現できない時代となってしまいました。
真似しても成功出来ないだけではなく、成功のために「過去の成功を捨てる」必要すらある時代に我々は生きています。
このような時代に「何を」「どうやる」、WhatとHowだけを伝えるような上司では仕事やプロジェクトを成功に導く事が出来ないのです。
リーダーを目指す
このような時代に求められているのは「なぜこれをやらねばならないのか」を伝える事が出来る人材なのです。
誰もが伝えていると自身では思っていますが、皆さまの上司を振り返った時に、納得する「なぜ」を伝えてくれた上司もいれば、「なぜだろう」と思いながらついていった上司もいたはずです。
我々は「なぜ」を伝える事が出来る上司、「リーダー」を目指すべきです。
それでもWhy? Becuaseが伝わらない時には?
それでも伝わらないと感じる事があるかもしれません。
しかしここで考えて頂きたいのは
「伝わらないのは伝える側の責任」という事実です。
チームや相手に伝わらないのはあなたに責任があります。
「なぜ伝わらないのか?」「どうやったら伝わるのか?」
この問いに向き合い、そして伝わるまで時間をかけるべきです。
あせって「なに」を「どうやって」ではなく、「なぜ」を伝えましょう。
現代におけるマネージャーの重要性
巷には今まで私が書いてきたような理論をもとに、「マネージャー」と「リーダー」を切り分けるべきだ、という組織も存在します。
つまり、人事上の上司とマネージャー別に設定するというマトリックス組織です。
業務上の進捗管理、いわゆる「マネジメント」をする人は人事上での上司とせず、個々の自主性を発揮するために「リーダー」を業務上とは別におくという、縦・横のマトリックス組織が存在します。
これは個人的な考え方ですが、この発想には「マネジメント」が良くないという発想が含まれていると思いますが、この発想には賛成する事を躊躇します。
なぜなら、プロジェクトや仕事を成功させるためには「リーダシップ」と「マネジメント」を切り離すべきではないと考えるからです。
結局のところ、
リーダーシップに欠けた(「なぜ」が説明できない)マネージャー(「何」を「どのように」を指示)もマネジメントに欠けたリーダーも両方成功しないのでないかと考えるからです。
このような時代だからこそ両方兼ね備えたリーダーを目指すべきです。
まとめ
あなたの仕事やプロジェクトが成功しない理由として考えられる「Why?」に対する「Because」を説明する事の重要性について記載させて頂きました。
組織論やリーダーシップ論は学問としても研究としても継続して続けられ、いまだ「これが完璧な答え」というものは見つかっていないのではないかと思います。
それは、いわゆるPEST(Politics, Economics, Society, Technology) の変化が激しい現在では答えになりそうなものが出ても次々と新たな修正の必要性に迫られるからではないかと思います。
しかし、どんな組織においても今やるべき事の一つとして間違いない普遍ルールとして
「Why?」に対する「Because」を説明する事の重要性について記載させて頂きました。
ここまで読んで頂きましてありがとうございました。
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