会議でなぜ攻撃的な発言が生まれるのか?
上手くいっているプロジェクトの会議は割と和気あいあいとしていて皆が笑顔で話しが進む事が多い一方で、
何か問題や課題に直面しているチームの会議では、ふとしたきっかけで会議が炎上する事があります。それは大抵攻撃的な発言によって発生します。
「これ以上いくらやっても無駄ですよ。だって取締役は我々の話を全く聞かないじゃないですか。」顔を紅潮させて、声を荒げながらこんな台詞が出てきたります。
「あなたは何もわかってはいない」など矛先があなたに向かう事もあるかもしれません。
私も会議メンバーの一員であったり、会議をファシリテーションするリーダーの立場であったりと立場は様々であったものの、こういった風に会議が炎上する状況に何度も立ち会ってきました。
炎上した会議でのリーダーの役割。攻撃的な発言への対処法は。
会議が炎上した場合にあなたはリーダーとして場を落ち着け建設的な方向に会議を軌道修正する必要があります。
しかし炎上している状況であなたまで平常心を乱してしまったり、相手のネガティブな意見に同調してしまっては軌道修正が上手くいくはずがありません。
私もPeople managerとして多くの部下をリードし、そして会議を多くファシリテーションするようになってからは、「どうやったら炎上した会議を収め正しい方向に軌道修正できるのだろうか」と試行錯誤をしてきました。
攻撃的な発言に対処する効果的な二つの手法
会議での炎上を解決するには2つの方法があります。
- 相手の感情を受け止める
- 問題・発言をreframing(枠組みを再構築)する
経験的には上から順番にこの2つの方法を使用すると効果的です。
つまり「相手の感情を受け止めた」後に「reflaming」を行うとスムーズに行く場合が多いです。
では具体的に見て行きましょう。
炎上例)Aさんが感情をあらわにしてリーダーのあなたに発言をしてきた
具体例があった方がわかりやすいと思うのでここからは例を提示して説明して行きたいと思います。
例)あなたはプロジェクトXを率いるリーダーです。ところがプロジェクトXは想定外であった顧客からのクレームに対応する必要が発生した為、システムの変更に追加で1,000万円の経費が必要となりました。この状況を打破する為先週シニアマネジメントに1,000万円の追加融資を依頼しましたが、シニアマネジメントの解答はNO。「現状の経費に更に1,000万円を追加する事は出来ない」という結果でした。
あなたは今日この結果をチームに説明し打開策を検討します。
ところが会議においてプロジェクトに誰よりも精力的な貢献をしていたAさんが真っ赤な顔で声を震わせながらこうあなたに発言します。
「リーダー、彼らは何を言ってもわかりはしない。これ以上やっても話にならない。俺はもう嫌になりました。」
さてあなたはどうしますか?
相手の感情を受け止める
「Aさん、この結論がとても深刻なものである事は私も十分に理解している。君の気持も理解できる。」
相手の感情が昂っている時にこそ、リーダーであるあなたは冷静に対応しないといけません。
「Aさん、あなたの発言は感情的すぎる。この場でそんな事を言うのは相応しくない。」とあなたが感情的に反論したとしましょう。Aさんはさらに強い口調であなたにつっかかってくるでしょう。
「じゃああなたはどう思うんですか?リーダーであるあなたの責任ですよね。」
なんて展開になってしまい会議が炎上する事間違いなしです。
大事な事は、「事実を認識している」という事を相手に明言するのです。
「この結論がとても深刻である事を私も理解している。」
まずはこのように「事実を認識している事」そして「相手の気持ちも理解できる」事をなるべくゆっくりとした口調で落ち着いて切り返しましょう。
経験的にはこれはマジカルワードで相手はこの一言で冷静さを取り戻す事が大半です。
しかしながら、それでも相手はまくしたてるようであればしばらくは相手の話を聞きましょう。なるべくゆっくりと相槌をうつか、うなずく。
冷静な大人であればしばらくすると相手は落ち着きを取り戻してきます。
相手が落ち着きを取り戻してきたら次にReframingを行います。
Reframing
感情的になっている人や何らかの問題点にぶつかっている人は、もの事の判断を偏って捉えがちです。
YesかNoの二択しか存在せず、まるでこの先もいかなる解決策もないかのような錯覚にとらわれてしまっているのです。
そのような時は問題や課題をReframingする事でその後のディスカッション、会議を建設的に進める事ができます。
「先ほども話した通り私自身この結論を大変深刻に受け止めている。なぜなら今回シニアマネジメントは追加投資にNOの解答を出した。つまり今時点で我々は追加融資を得ていない。ではどうしたら追加融資を得られるか考えてみよう。」
Reframingではまず現状を正しく認識します。
Aさんは、「これ以上何をやってもシニアマネジメントは変わらない。無駄だ。」と思っています。まず正しい認識を持つために「今のところ追加融資は得ていない」という言葉をかけます。
大事なのは「今のところ」という事実です。
そして「今のところ」は承認を得ていないが「何らかの方法で承認を得る事は可能かもしれない」、では「どうやったら承認を得られるか考えよう」と課題を再構築し感情的な反論に対処します。
私の経験
攻撃的な発言や会議での炎上発言を多く経験してきましたが、この2つの手法を使う事でほぼ解決してきました。
もちろん例外もあります。
これらの手法を活用して攻撃的な発言に対処しても解決できない時には一旦会議を中止して、攻撃的発言者と1対1で話をするようにしました。
こういった状況での1対1での会話のコツも今後紹介して行きたいと思います。
まとめ
本日は会議で攻撃的な発言をされた場合にどのように対応するかについて紹介しました。
リーダーの立場としてこの手法を紹介しましたが、同僚から攻撃的な発言を受けた場合にも活用できます。
「事実を認識している事を示す」「Reframingする」
この2つの方法で攻撃的発言に対応していってください。
ここまで読んで頂きましてありがとうございました。
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